梅干しを使用した調味料、煎り酒

1年の中で主に2月から4月にかけて、1センチメートルから3センチメートルほどの5枚の花弁のある花を葉に先立って咲かせるバラ科サクラ属の落葉高木、それが梅という木です。この梅の木に実り、採取することが可能な果実を塩漬けして、その後に日干しすることで出来上がるのが梅干しというものです。白いご飯との相性が非常に抜群であり、お弁当などの昼食の定番の素材としてよく使われています。また、様々な調理方法や活用方法が存在しています。例えば、梅干しと調味料を混ぜ合わせれば、梅のソースへと早変わりし、肉や魚、野菜といったおかずの味をより彩るソースとなることが可能となっているのです。他にも、江戸時代においてしょうゆの代わりとして使用されていた煎り酒の原料としても活躍します。

その小さな実がもたらす健康効果

お弁当などに頻繁に使用されるのはご飯と相性が良いとった理由の他に、健康食品として用いることができるからという理由もあります。昔から体に良いとされてきた伝統的な健康食品であり、その独特な味である酸っぱさには殺菌作用といったものが含まれいるため、内臓の働きを大いに助けてくれるものとなっています。加えて、1日に1粒摂取すれば医者いらずと言われるほど、その果実に含まれているクエン酸による疲労回復効果や弱アルカリ性による動脈硬化予防や老化予防、肌の美容効果、ダイエット効果といったものが期待できる食品となっています。このように、非常に実が小さく、食べる部分があまり多くないその果実には、日々の生活を大いに補助してくれる効果がたっぷりと含まれているのです。

江戸時代に普及していた、梅を使用した調味料

江戸時代においてはそんな健康効果を見通してか、梅干しを調味料として上手に摂取するために、日本酒で煮詰めた煎り酒というものが広く使われていました。これは、しょうゆの存在がまだ広まっていなかった江戸時代において、現代のしょうゆと同じような形で調味料の顔として頻繁に使用され、食卓の味を広く彩っていたのです。しょうゆが普及して一般的となってしまった現代においては歴史の隅へと追いやられてしまっていましたが、しょうゆよりも柔らかいうまみがありさっぱりとした薄味を煎り酒は誇っています。減塩が注目され始め、薄味の摂取を叫ばれ始めた昨今においては、復活の気配を少しずつですが漂わせており、調味料の代表格の顔を取り戻すこともそう遠い日のことではないかもしれません。
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